マンガ感想文

『アデライトの花』~美しくて残酷な群像劇

アデライトの花~TONO

 

漫画のレビューです。

 

『アデライトの花』(TONO著)

先日Amazonをチェックしたら、新刊が出ていたので購入しました。2巻に入ってどんどん不気味に面白くなってきました。

色んなパズルのピースがつながってきて、でも全然先の展開が読めなくて…。

あらすじ

アデライトの花 2 Nemuki+コミックス / TONO 【本】

名家ハント家に南の国から嫁いで来た無垢な娘アデライト。だが花婿クラックにはすでに妻パイロープと娘がいた───!!

ハント家に留まったアデライトは息子ピートを出産。

同じ年にパイロープは息子キューブを出産するが彼は限られた人以外動物に見えるという奇妙な目を持っていた!!

 

~1巻のカバーから引用。

 

残酷で容赦のない描写、でも動物なので救いがある……

奇病が流行って、人がどんどん死んでいきます。他にもひどい暴力を受けたりするキャラがいて、なかなかクるものがあります。

容赦ない貧困・差別・憎しみ等も描かれています。

 

が、

登場人物が犬や鳥、ウサギなど動物で描写されているので、ストーリーやエピソードのエグさがだいぶ中和されて読みやすくなっています。

これ、リアルな絵の作家さんだったら私は読めなかったと思います…(汗

 

作者のTONOさんは、体力の低下にともない人間キャラを描くのがしんどいのか、最近の作品は動物率が高いです(笑

『猫で語る怪異』とかも、オジサンとか描きたくないから猫にしたっておっしゃってた…。TONOさんの描く猫ってすごく可愛いんですよ。なのに話そのものは怖いから、なんかもう、わけのわからない怖さが醸造されてて…。

 

『アデライトの花』も、ストーリーとしては悲惨で救いようのない香りがプンプンします。

が、TONOさんのある意味雑(褒め言葉です)な絵柄と、登場人物を動物にするという横着さ(褒め言葉です…)で、ドス暗い話なのに誰でも読める不思議な作品となっています。

 

ダークファンタジーな感染パニック作品

私はTONOさんのファン(わりと信者レベル)なので、この『アデライトの花』も作者買いしました。

ただ、正直1巻を読んだ時点の感想としては、『つまらなくはないけど…まだよく分かんないな…』でした。

 

でも今回2巻を読んで、『あ、これ絶対面白い作品だ』と考えを改めました。1巻で謎だった事柄が、ものすごく意外な形で解明されます。うわー、やられたー、…ひでー…って感じでした。

TONOさんの作品って結構さらっとインモラルな描写があるんですけど、今回もそれは健在でした。人間って本当に残酷というか…なんというか………。

 

で、1つの謎は明らかになったけど、その謎が今後のストーリーにどう絡んで行くのかが全然予想がつきません。そして他にもまだ謎はたっぷり残っているという…。

なんか登場人物、最終的に全滅しても不思議じゃないくらい悲惨な話ですけど…面白いです。

アデライトの花 2 Nemuki+コミックス / TONO 【本】

 

群像劇、感染パニックもの、サスペンス……これらのジャンルが好きで、表紙の雰囲気も好きであれば読んでみてください。

できれば1巻・2巻、一気に読むとなお楽しめると思います。3巻の発売はおそらく2020年の2月ごろ。待ち遠しいです。