マンガ感想文

自愛・自己肯定感の重要性『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』感想文

永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』感想

 

以前、こんなコミックエッセイを読みました。

『さびしすぎてレズ風俗にいきましたレポ』永田カビ著

もう3年前くらいになりますかね、発売と同時に購入しました。で、最近また読み直しました。

 

当時と今で、だいぶ感想の変化があったので、まとめてみます。

 

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』概要

ざっくり説明すると、

著者・永田カビさんのエッセイコミック。

高校卒業後、大学をドロップアウト。その後欝と摂食障害に苦しむ生活に突入。家族愛の不足を感じ、心が満たされないまま28歳になる。社会人経験・異性経験ゼロ。

 

『生きるよりも、死ぬほうが、どう考えてもラク』になった時、突如湧いてきた『悔しさ』。

 

性的な興味に蓋をしていた自分の気持ちに気付き、一念発起してレズ風俗に行く。

本当にザックリした説明です。実際はもっと細かい心の問題が山積みになっていて、刺さる人にはドンピシャで刺さります。

 

自己評価の低い人にほど刺さるんじゃないかなあと、思います。もちろん私にもクリティカルヒットしました。普段は本は電子版で買うんですが(場所とらなくて楽だから)、これは『紙の本として手元に置いておきたい』と思って、書店で購入したくらい。

 

他人軸で生きると、いつまで経っても自分を好きになれない

数年前に読んだ感想としては、

『同じ事考えている人、いるんだ……!!!』でした。ちょっと衝撃でした。他にも

  • 性的なこと、したいよね
  • 自分の性別(女)でくくられるのが嫌
  • 抱きしめられたい、人肌のぬくもりが恋しい
  • 仕事が続かない
  • 友人とどんどん疎遠になるが、SNSで近況だけは一方的に確認する
  • とにかく心がさびしすぎる

 

等々、とにかく共感・わかる!と感じることが非常に多かったです。そして自分のカラをやぶるべく、勇気を出してレズ風俗に行ったカビさんはすごいと思いました。

 

読んだ限りの感想ですが、カビさんはずっと家族(特にお母さん)からの評価を気にされていて、長年自分の本当の気持ちよりもお母さんからの評価を一番に考えていたようです。

で、お母さんの期待通り(かは分かりませんが)の娘になれない自分に嫌悪感を抱いている。自分に対して

 

『お酒を飲む資格がない、ケーキを食べる資格がない、息をする資格がない』

 

とか、自分に対してのダメ出し・不許可がすごいです。

 

そこまで自分に冷たくして、まあ、ウツやら摂食障害にもなりますよね…。

 

現在の感想『すごいと思うけど、ちょっと方向性がズレているんじゃないか?』

購入から数年経って、再読して思うこと

  • 他人に癒しを求めても、問題の根本的解決にはならない
  • そもそも高校卒業までは幸せだったんだから、そこから大学中退までの心模様を解析する事も必要なのでは?
  • まずは自分が自分に対して100%心を開かないといけない
  • ウツや自傷はある意味自己防衛、自分のためにその状態になっている

 

かなー…。

ものすごく共感できるのは変わらないけど、でももっと、別の方向で自分の心にアプローチした方が良いのでは?という感想です。

 

ただ色んな人生の道があって、その時選べるのはたくさんある道の中の1本なんですよね。

選んで進んで、その結果を確認しないと他の選択肢に目をやる事ができない。

 

他人の事は客観的に見れるけど、いざ自分の事になると何も見えなくなる。だから私が永田カビさんになったとして、たぶん同じような選択をして、もがくんだろうな、とも思うのです。

 

とにかく自愛・自己肯定感を高める事が重要

『さびしすぎてレズ風俗にいきましたレポ』はハッピーエンド?なんですが、実はこの続編的な本も出ています。

こちらを読む限り、永田カビさんは相変わらずもがいています。精神病棟に入院されたりもしている。

 

結局、懇親のレズ風俗体験を発表して作品がヒットしても、認知度が高くなっても、自分の事をちゃんと好きになれないとダメなのかなあ…という気がしました。あくまで私の感想なので、実際の永田カビさんの心模様は知る由もありませんが。

 

『他人からの評価を得たい、認めてもらいたい』が永田カビさんの目的のようですが、それも結局他人の目が基準なんですよね。

気持ちはものすごく分かるけど、それじゃあ相変わらず自分の心は不安定なままだろうな、と。

 

私はずっと自分の心のあり方がわからず、ブレブレ、他人の目を病的に気にする、そのくせプライドだけは高い…。そのまま中年になってしまった、『………』な人です。

せめて死ぬまでには自分の事を100%(まではいかなくても80%くらいは)大好きに、『色々あったけど、まあ私の人生もなかなか良かったんじゃない?』って思えるようになりたい。

 

永田カビさん、その他似た立ち位置の人々、もちろん私も、みんながハッピーエンドを迎えられる人生になれば良いなと、そう感じます。