マンガ感想文

ねこぢるうどん~不条理で残酷な子供の世界~【マンガ感想文】

ねこぢるうどん

 

『ねこぢるうどん』というマンガ、ご存知でしょうか?

 

私はこのマンガを大人になってから読んだんですが、初めて読んだ時にものすごい衝撃を受けました。

ねこぢるうどん1の画像

ぶっちゃけトラウマになりそうでした。

 

小学生で読んだら確実にトラウマになってたと思う。。。

すごいマンガを見つけた!とメールしてきた友人

私がまだ20代だったある日、古書店でバイトをしていた友人からメールが来ました。

 

「すごいマンガを見つけた!」


「なんて説明していいか分からない。とにかく読んで!」

 

 

「借すから絶対に読んで!」

 

 

そして回ってきたマンガが、『ねこぢるうどん』の1巻でした。

読後の後味がものすごく悪い

とにかく後味が悪い。
もうびっくりするくらい悪い。

 

基本バッドエンド。

 

ここでありありと書くと、問題なんじゃ…と思ってしまうくらい、やばい。

たとえば巻末に収録されている『ねこぢるうどん 第1回作品』は、

子ネコの鳴き声がうるさいので、母ネコが虚勢手術をうどん屋に依頼します(なぜ)。

 

子ネコの〇〇を包丁で取り出すうどん屋。

子ネコ、死亡。

 

うどん屋、店に来た客にうどん提供の準備を始める。

意味わかんない。なにこれ………

 

また別の話では

友達の家にあそびに来たにゃーことにゃっ太の姉弟。

 

友達の家にはボケたおじいちゃんがいる。そのおじいちゃんがホットケーキを作ってくれるというが、何時間たってもホットケーキは来ない。

 

台所に様子を見に行くと、おじいちゃんは自分のスリッパをひたすらキッチンでしょこしょこ動かしているだけ…。

 

この話のテーマはなに……

後味が悪いのに、また読みたくなってしまう

たまにハッピーエンド(?)もあるんですが、基本バッドエンドで後味が悪いです。

放送禁止用語も結構あります。

 

ただ、しばらくするとまた読みたくなるんです。
この不条理で残酷で救いのないマンガを。

 

理由を考えたんですが、たぶん

 

現実の残酷さと近い

話の内容がよく理解できずに読み返して理解しようとしてしまう

 

……んじゃないかと。

1回手放したけど、また買ってしまった

実は断捨離で1度手放しました。

でも再度購入しました。なんか中毒性があるんですよね…。

 

何年も読まなくても平気なんですけど、ある日突然「あ、あの話が読みたい」ってなる。

 

私は『ねこぢるうどん』はもう絶対手放しません。

私が特に好きな話を紹介します

2巻に収録されている「ひるねの巻」が私は特に好きです。

 

昼寝をしているにゃーこ。まだ眠ってはいません。

そばでは弟のにゃっ太が積木で遊んでいます。

タンスの裏から小さなクモが出てきて、クモを食べるにゃっ太。外では金魚売が金魚を売る声が聞こえます。

 

……この一連の流れが数回マンガの中でくり返されます。

だんだん画面も黒の割合が多くなり、不穏な空気に…。

ひるねの巻の1ページ
『ねこぢるうどん』2巻66ページより。

そして周囲から音が消え、しんとした中で、誰かがにゃーこに声をかけます。

「あぶないよ。おきないと。こわいのがくるよ。」

そして一人の男が家の前に現れます。目があきらかにイッってしまっていて、人目で異常者と分かります。

 

その男が家にゆっくりと入ってきて、上着の内側から出した包丁で弟のにゃっ太を殺してしまいます。

にゃっ太の首を持って、げらげら笑う異常者の男…。

 

ガクゼンとするにゃーこですが、ここまでは実はまだ夢。

 

「あぶないよ、おきないと、こわいのがくるよ」誰かの声は聞こえ続け、現実では異常者は家に向かって近づいてきます。

 

「はいってくるまえに やっつけるんだ」「これをつかって」

誰かがにゃーこに槍を手渡します。そしてにゃーこはその槍で異常者の目を突いて攻撃し、撃退。

 

撃退され、家から追い出された男は、通りがかったネコの親子を殺害して去っていき、終劇。

 

この話が好きだというと、色々誤解されそうですが、とにかく話の構成がうまいんです。

強烈な印象が残る話なんです。

残酷なのが好きとか、そういうんじゃないんです(たぶん)。

万人にはおすすめできないけど、ハマる人にはたまらない

とにかくクセのある、ある種狂った話なので、私のようにハマる人もいる一方で、「絶対ムリ!!!!」って人もいると思います。

 

アマゾンのレビューも両極端ですし。

ただ、もう新品では買えませんし、中古にしても2000円の価格が付いています。定価は971円(+税)です。

 

毒か薬か紙一重な『ねこぢるうどん』、気になる方はぜひ読んでみてください。

 

 

オリジナル版は高いけど、もっと安い文藝春秋出版のもあります。

(ただ内容は伏字にされてたり、エピソード丸ごとカットされてたりするかもしれません)